
うさぎのアーニーちゃんは今度の12月25日で7歳になる。動物病院ではお年寄りと言われる年齢になり、昨年秋から急にいろいろな変化が起きてきた。まず秋頃から腹ばい(ペッタンコ)になることがなくなり、背を丸めてじっとしていることが多くなった。いつも前足に体重がかかっているので足が弓形に反ってしまうし、疲れないかと心配で、たまに無理やり腹ばいにさせてみたりしたが、嫌がってすぐに元の背を丸める姿勢に戻ってしまっていた。
アーニーちゃんは元々牧草をあまり食べない方で、軟便で具合が悪くなってしまうので、秋からペレットの量を減らしてみたら、牧草を食べるようになり糞の状態が良くなった。それは良かったのだが、この頃から徐々に体重が減ってきていた。
春頃からはトイレ以外でおしっこをするようになり、足腰が弱ってふらつくようになった。ついに足をひきずるようになったので、7/31に病院(さいとうラビットクリニック)に連れて行ったところ、神経性の麻痺と思われ、原因は不明(複数の可能性があり特定が難しいそう)。また、このように徐々に進んだ場合、年齢のこともあり、治る可能性はほとんど無いと言われた。
その頃は、足の半麻痺状態よりも、木のスノコの上で座ったままおしっこをするので足や内股がびしょびしょに濡れて皮膚炎になりがちなことが日々の悩みだった。スノコの上にペットシーツを敷いてみても、その上にじっと座り込んでいるので、会社から帰宅するとやはりびしょびしょになってしまう。ペットシーツを足濡れしないという厚手のものに変えてみたが、あまり効果は無い。一体どうすれば良いのかと悩み、インターネットで調べ、うさ飼い歴の長い友人にも相談した結果、足に良いと思ってずっと使っていた木のスノコを諦め、9/5に金網床の新しいケージに引越しすることにした。足を痛めないように、プラスチックのフロアマットを2種類買ってみて、気に入った方(ジェックスの「うさぎの健康フロアマット」が○。サンコーの「休足マット」は小型のうさぎには凸凹が大きすぎるようでダメだった)を敷いた。金網床にした結果、おしっこが下に落ちるので木のスノコよりは足が濡れなくなって、良かったと思っていたら、しばらくすると足を開かずに足の上におしっこをするようになり、やはり濡れてしまうようになった。
病院には定期的に通っていたが、半麻痺のうさぎは腎臓障害を起こしやすいので、最低1日1回、圧迫排尿で膀胱を空にすると良いと言われていた。お風呂場で膝の上に仰向けだっこして、下腹をさすったり押したりして、おしっこを出してからおやすみなさいの毎日だった。
8/21の2回目の通院では、750gと痩せていたたため(昨年秋は1200g)、まず体重を増やす必要があると言われた。そこでペレットの量を増やしたら、元々苦手だった牧草に全く口をつけなくなった。そうなるとお腹が弱いせいでまた軟便になり、ジレンマで頭を悩ませた。インターネットで調べておいしそうな牧草を取り寄せてみたが、どれもダメ。ウーリーの「ペレット牧草」という、牧草とアップルファイバーを固めて焼いたものを食べてくれた時には心底ホッとした。便もその日から大きく健康なものになった。
仕事の方は4月から9月始めまでずっと立て込んでいて、10月にやっと旅行に行けるぞ、と中欧のツアーに申し込んだものの、アーニーちゃんが心配で、本当に行けるのだろうかと、準備に手がついていなかった。そうしたら出発の3日前に突然立てなくなった。三日月形に横になって寝ころんでいる。うさぎは食べないと命に関わる(腸を空にすると状態が悪くなる)ので、頻繁に支えて起こしてペレットを食べさせ、水を飲ませなければならない。入院できる病院ということで、金町アニマルクリニックに預けることにした(こんな状態で旅行に行って良いのかと悩んだが)。
旅行中、病院に電話してみると、今朝から急に具合が悪くなったと言う。心配でこちらも具合が悪くなる。また次の日電話をかけると、持ち直して元気に食べているというので、少し安心した。
10/21(水)に帰国し、帰宅直後に病院に電話したところ、状態が悪いのですぐに来て欲しいという。休む暇無く午後の受付開始時間にかけつけると、黙って横たわっている。強制給餌も今日はほとんど食べないとのこと。見るからに元気が無く、目は凍った湖のように動かない。血液検査では腎臓の値も悪く、今日の内に亡くなる可能性もあると言われ、連れて帰っても大丈夫なのか、病院に置いていた方がいいのかと、しばらく悩んでいた。ぐったりしている姿を見て、自宅でちゃんと強制給餌や看護ができるか自信が無かったのだ。獣医の先生は、家の方が良いと言う。結局連れて帰ることを決心し、獣医さんと介護士さんに強制給餌の作り方(ミキサーで生野菜のジュースを作り、水でふやかしたペレット、ビオファイバー、ビタミンと混ぜ合わせる)と与え方(注射器の針の無い「シリンジ」で前歯の横の隙間から入れる)を教わって、アーニーちゃんと帰宅した。
帰宅してキャリーバッグを開けて触ると、体全体が冷たくてお腹が硬い。また10秒に一度ぐらい、しゃっくりのように大きく口を開けて喘いでいる。苦しそうで、どうしたらいいのかわからないまま、ずっと抱っこしていた。その晩は、自分自身、疲れ果てて目が閉じてしまいそうだったが、心配で長く眠ることができなかった。流動食は少しだけ食べた。体温調節ができなくなっていると言われたので、「ゆたぽん」(電子レンジで温めると7時間保温できる、便利な湯たんぽ)をフリースにくるみ、横に置いて、タオルの布団をかけて寝せた。
次の日(10/22)は急遽会社を休み、一日、様子を見たり、声をかけたり、強制給餌をしたりしながら介護のペースをつかんだ。口を開けて喘ぐのは収まってきていたが、しきりに歯軋りをしてどこか痛いようだった。
10/23からはいつも通り出勤。朝は1時間早く起きて圧迫排尿、排泄物の処理、強制給餌。責任が取れない、できない、と言う母に無理やり方法を教えて頼み込み、午後の強制給餌をお願いした。うさぎは12時間以上胃腸を空けると危険で、できれば定期的に給餌した方が良いと言われるからだ。その時は、会社に行かなければ生きていけず、ウサギ一匹世話できない自分が悲しかった(母には当たり前だと言われるが、インターネットで見ると、ウサギの介護について書いている人は主婦が多く、手厚く世話ができているようなので・・)。定時で急いで帰宅し、様子を見て23時頃に最後の強制給餌。旅行から帰ってからは睡眠を充分に取れないので風邪を引いてしまったが、命に関わるわけではないので後回し。
それから毎日、朝は今までより1時間早く起きるので、寝不足でヘトヘトという毎日が続いたが、強制給餌の食いつきが悪い時、気分転換にとアーニーちゃんを抱っこしてベランダに出て朝日を浴び、美しい鳥の囀りを聞いていると、早起きも気持ちがいいものだと思った。オレンジ色の光がアーニーちゃんの顔の毛の一本一本にからんで陰影をつけている。いつも蛍光灯の下でしか見たことがなかったので新鮮だった。
それから数日経ち、餌の食いつきが良くなり、尿も濁ってきて(透明な尿は腎臓の状態が悪い印だそう)、表情がイキイキしてきた。タオルの布団から出した前足をペロペロして、顔を洗うしぐさをしているのを見ると、久しぶりにホッとした。ゆたんぽの保温も必要無くなった。さいとうラビットクリニックでもらった2種類のシロップ(腸の動きを良くするプリンペランと食欲増進のペリアクチン)は朝晩続けている。甘いものが大好きなので、小さなスプーンに入れて近づけるとゴクゴク飲んでくれるので水薬は楽。
今のところ、会社帰りのロシア語と水泳は中止して、毎日定時ダッシュで帰宅(今、仕事にゆとりがあって良かった!)。土日も出かけることができない。まだまだ糞が小さいし、調子も良かったり、まあまあだったり。何より体重が増えていない(現在650g)ので油断はできない。しっかり食べさせなければ。
旅行前日、アーニーちゃんを病院に預けた後に空のウサギ小屋の掃除をしながら、ここに戻ってきてくれるのだろうかと少しドキドキしていた。今、寝たきりとはいえ、小屋の中にいるアーニーちゃんを見ると、とても嬉しい。寝たきりでも毎日元気でいて欲しい。
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