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June 07, 2009

ジャン=ジャック・アノーの「トゥー・ブラザーズ」

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カンボジアの緑滴る密林、下生えを踏みしめる虎のビロードのように美しく弾力のある足。アンコールワット遺跡を風のように駆け抜ける姿。動物も遺跡も物語も美しい映画。子供の頃、シートン動物記が愛読書だった私にとって、「トゥー・ブラザーズ」は大好きな映画の一つだ。約5年前の映画だが、私は4年前に新聞社の上映会で見て、すごくアンコールワットに行きたくなった。暑さにバテそうなのが怖くてまだ実現していないのだが。今回、DVDで4年ぶりに見た。

王様(シアヌーク殿下?)が出てくるので60年代のカンボジア王国時代だろうか。アンコールワット遺跡で生まれた虎の兄弟が、運命に翻弄されて離れ離れになり、それぞれ人間と関わり、成長して思わぬ場所で再会し、自然に戻っていく。

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まず虎たちの表情や動作が素晴らしくて見飽きない。子虎同士のじゃれあい、大人になってからの親しみの表現など、生き生きしていて、微笑ましくて、特に猫好きの方にはおすすめ!さらに背景のアンコールワット遺跡。仏像や浮き彫りの陰影と森の緑や透明な水との調和。光の効果や抑えた色の捉え方が美しくて、さすがフランス人の映画だと思う。フランス植民地時代のお屋敷や生活、王様一行の象に乗っての狩猟風景、遺跡の盗掘、現地人の抜け目なさ等、歴史物としても楽しめる。英国人冒険家エイダン役のガイ・ピアースは、少年のような透明な純粋さがあり、少年役のフレディ・ハイモアも芯がしっかりした美少年で好感が持てる。お話は、やや擬人化・理想化されているのだが、物語として美しく、調和が取れているので満足。とにかく動物・遺跡・歴史・冒険好きの方にはおすすめ。

ジャン=ジャック・アノー監督の作品は、これ以外に「薔薇の名前」、「スターリングラード」を見た。「スターリングラード」はロシアの狙撃兵(ジュード・ロウ)が主人公だが、イギリス人俳優が中心なのでロシアらしさはいま一つ。しかしラブシーンには圧倒された。ほんの短時間だが説得力があってすごくセクシーなのだ。動物映画が撮れる人は、生き物のエネルギーや生命力に敏感で、ラブシーンも上手なのかもしれない。さらに、俳優の選択も的確で、私の好みにも合っている(ショーン・コネリー、ジュード・ロウ・・)。これもやはり、動物映画が撮れる人は、人の基本的な(動物的な)魅力に敏感で、その人の美しさを引き出すのが上手だからかもしれない。

また機会があったら彼の他の作品(「人類創世」、「小熊物語」、「愛人/ラマン」、「愛と勇気の翼」、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」等)も見てみたい。

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Comments

こんにちは!
ちょうど、虎の絵を描いているところだったので、
私もDVDを借りてみました!
表情豊かな映画ですねぇ。楽しめました♪
寅歳の私は、「やっぱり、寅は美しい♡」って思っちゃいました。

Posted by: こっぴ | June 13, 2009 at 08:52 AM

あ、そういえばこっぴさんは寅年でしたね。
虎の絵描いているんですか!

この映画の虎は、怖い顔よりカワイイ顔(人間くさい)が多いですね。動物園とかで実際向かい合うと、大きいからびびると思いますけど。

Posted by: LENI | June 13, 2009 at 11:56 PM

昨日、動物画家の方とお話ししたのですが、
シーンごとに、虎の模様が変るので、
使われている子虎の代役の数がわかるんですって。
エキスパートは凄い!です。

Posted by: こっぴ | June 15, 2009 at 09:29 AM

新聞社の上映会(2005年4月)でもらったチラシによると、
使った虎は30頭、その内18匹は赤ん坊の虎だそうです。
私は視覚系の人間ではないせいか、物語に没頭してしまい、
虎の違いには全く気が付きませんでした。
やっぱり画家の目は違うと思います。

Posted by: LENI | June 17, 2009 at 12:48 AM

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