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February 20, 2016

007 スペクター

水曜日にシャンテ・シネで「007 スペクター」の2回目を見てきました。1回目は年末の12月30日にTOHOシネマズ日本橋で見たのですが、この時は仕事のことなどでコンディションが悪く、落ち着いた気持ちで見れませんでした。2回目はストーリーがわかっているので細かいところや音楽もじっくり楽しめました。

ダニエル・クレイグのボンドは、前回の「スカイフォール」でミッドライフ・クライシスを乗り越えたせいか、スーツ姿にも落ち着きと自信が感じられ、強さの裏に誠実さと優しさがある007になっていて素敵でした。

Mのレイフ・ファインズは「ロレンス1918」で注目し、「イングリッシュ・ペイシェント」で惚れ、「嵐が丘」でさらに惚れたのですが、さすがシェイクスピア俳優出身のくっきりした美しいイギリス英語の響きに聞き惚れました。

ボンド・ガールのレア・セドゥは「アデル、ブルーは熱い色」で凛々しく透明感があっていいなと思いました。今回、ボンド・ガールとしては小柄で古典的な美女ではないものの、医師として自立した一人の女性としてボンドと対等に並ぶ姿に親近感を感じました。昔のボンドガールは男性から見た女性でしたが、最近は違っていますね。

そして「パフューム」のグルヌイユ役の演技で注目したベン・ウィンショーのQ君。今回はオタクな技術者として本領発揮するのはもちろん、オーストリアアルプスでアウトドアの活躍場面もあり。「僕には住宅ローンと猫2匹が・・」と、組織に逆らえない事情を打ち明けつつ(共感!)も、さりげなくボンドに協力していまう姿が可愛い。

たまたま3つの別の映画で私がいいな!と思った3人が今回揃って出ているのは偶然なのでしょうか?

若きブロフェルド(昔の007ではペルシャ猫を膝に載せた貫禄ある姿ですが)も可愛げと残酷さが裏腹なところ、人間の怖さを感じさせる説得力がありました。

これまでの007のオマージュ(怪力男との格闘や列車のシーン)を楽しんだり、世界各地の絶景や名所を背景にアクションが楽しめたり(今回はチュニジアの砂漠を走る列車を遠景で見せるシーンが一番美しかった)、緊迫したシーンでもユーモアとウィットに富んだ会話のやりとりを楽しめるのが007の醍醐味。

サム・メンデス監督の007 2作目は今回も「死」が通奏低音になっていて、冒頭の「死者の祭り」やテーマ音楽やMのダブルオーに対する思い入れのあるセリフにも直接表されていました。アクション映画で命の重さを語るのは逆説的にも見えますが、仮想世界でなく現実で生きよ、ということなのかも。メメント・モリは命や生きることの大切さの裏返しなのでしょう。

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